ジョージ ダイソン 著『アナロジア AIの次に来るもの』(2023)早川書房

『アナロジア AIの次に来るもの』

ライプニッツ・王立協会・オートマタといった高山宏先生に教わった世界とChatGPT・などなど日常になったAIの世界を華麗につなげてくれる良書でした。

著者自身がフォン・ノイマンと実際に会っていたりと、体験に根差した語り口には説得力があります。コンピューターサイエンスの礎を築いたフォン・ノイマンについては高橋 昌一郎著『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』(2021)講談社現代新書が記憶に新しいですが、コンピューターだけでなく原爆開発にも尽力した人です。

人類はコンピューターと原爆を手に入れたものの今のところコンピューターを手に入れた利が勝っているという認識のようでした。

確かにコンピューターサイエンスの進化にかなりを負っている生活をしていますが、日本人としてはなかなか割り切れないものがあるかもしれません。

コンピューターに負っている生活をしていると電力源は原発由来であったり後ろめたい気持ちもありましたが、フォン・ノイマンまで思いを寄せてはいなかったです。さすが慧眼であられると感服しました。